About us

会長挨拶

このほど日本デジタルパソロジー研究会のホームページを拡充することとなりました。本研究会は、1999年に日本テレパソロジー研究会として始まりました。当初は、病理医不足から常勤病理医のいない病院の術中迅速診断を、遠隔地から画像転送を用いて診断することを目的として結成され、病理医や病理技師とともに、光学機器や通信、情報システムなどの各機器のベンダーも会員となっている点が大きな特徴です。その後、病理ガラス標本の高倍率画像をデジタルデータ化することができるWSI (Whole Slide Image)スキャナの登場とともに、日本デジタルパソロジー研究会と名前を変え、今日に至っています。

デジタルデータとなった病理画像は、これまでガラス標本にはできなかった様々な可能性を開きました。

データの移動、保存、バックアップ等が容易になり、ガラス標本と病理医が同じ場所にいる必然性がなくなりました。この結果、遠隔病理診断(テレパソロジー)や、一人病理医の診断の遠隔からのダブルチェック、遠隔地からの診断コンサルテーション等を行う基盤が用意されました。

日常診断でも、過去標本の呼び出しや、特殊染色画像の同一画面上での比較検討が可能となり、核の大きさや浸潤深度、色調や濃度など、これまで定性的に表現されてきた形態の特徴を、定量的に表現できるようになりました。病理診断の新しいページを開く大きな可能性を持っています。

学生教育にもすでに広く応用されつつあります。標本の破損や褪色などに気を使う必要がなくなり、画像の検討も画面を直接指で指し示しながら行えます。

本研究会は、このような大きな可能性を持つデジタルパソロジーを広げていくために、年1回の例会を持ち回りで開いています。また日本病理学会、日本臨床細胞学会、日本遠隔医療学会などと連携して、各種ワークショップやシンポジウムなどを開催しています。会員の皆様からご支援をいただき,本研究会の活動をさらに活発に進めていきたいと考えております。よろしくお願いいたします。

 

                            日本デジタルパソロジー研究会会長

                            国際医療福祉大学医学部病理学教授

                            森 一郎